東校日記

もうすぐ6年生が卒業します。

2021年2月25日 06時00分

本日は学年末考査中日です。

在校生の皆さん、勉強疲れしていませんか。

マラソンのオリンピック選手を育てたある監督さんが

「ラスト1周は誰でも頑張れる。だからその前の1周、その前の前の1周を頑張れることが大切」

とよく言われていました。

この中日は、自分で自分を奮い立たせる日ですよ。頑張りましょう。

 

さて、中学2年生の国語では、『走れメロス』を学びました。

自分の心の弱さに向き合いながらも「何か恐ろしくおおきなもの」に向かって走るメロスの姿に共感・反目し、また「赤」や「群衆」などにみられる作者「太宰治」の仕掛けに驚嘆したことだと思います。

 

その授業の中で、「メロス」と『鬼滅の刃』の主人公である「炭治郎」についていくつか触れました。

長男、単純な性格、強い正義感などなど、多くの類似性が見られます。

ということは…『鬼滅』の作者が「メロス」をパクった?というわけではありません。

私たちが、普段目にすること、耳にすることは、意識するしない、大きい、小さいにかかわらず何らかの影響を受けています。

きっと作者も「炭治郎」のキャラクター像をデザインする際、意図する、しないにかかわらず『走れメロス』に影響を受けたことは考えられます。

なんせ君たちと同じように日本で中学生を経験したならば、必ず学んだはずの小説ですからね。

そして実は、『走れメロス』自体も、作者である太宰治は、ドイツの詩人シラーの『人質』にインスパイアされて書いたといわれています。

 

もうすぐ6年生が卒業します。

一般的な中学や高校と違い、本校では6年生を遠い存在に感じている人も多いでしょう。

でも運動会や青藍祭、さらには入試に向けて職員室前で頑張る姿や廊下ですれ違う時など、意識的にも無意識的にも在校生の皆さんは6年生の姿を見、影響を受けています。

2年生の国語の授業ではメロスが走らされた「恐ろしくおおきなもの」は目に見えない、信実や名誉といったものを含んだ「人間としての証」ではないかと考えました。

6年生も目に見えない、恐ろしく大きい「今東イズム」を先輩たちから受け継ぎ、そしてさらに大きくして君たちに残してくれています。

 

在校生の皆さん、3月1日は、今東イズムを受け継ぎ、君たちに残してくれた6年生を感謝の気持ちで送り出す日にしましょう。